問題概観
- 第1問 14点:マーク数7
- 第2問 44点:マーク数19
- 第3問 41点:マーク数8
- 第4問 35点:マーク数7
- 第5問 30点: マーク数5
- 第6問 36点: マーク数9
河合塾
昨年の本試験と比較すると、第5問の長文読解問題が新傾向の物語文となった。それ以外は昨年の本試験とほぼ同じ形式であった。
・難易度 昨年並み
新傾向の第5問に戸惑った人もいるかもしれないが、各大問の難易度はすべて昨年並みであった。
・出題分量:語数は昨年に比べて約130語減って約4290語になった。問題別では、第3問A、第3問B、第3問C、第4問B、第6問で減少し、第4問A、第5問で増加した
・出題傾向分析:
(第1問)昨年までと同じくAとBの2部構成で、Aは発音問題3問、Bはアクセント問題4問。難易度は昨年並み。カタカナ語は、一昨年が8語、昨年が5語出されていたが、今年はtiger, curtain, charityの3語だった。授業の予習・復習をする時や長文問題を解く時に出会う標準レベルの単語を辞書で調べる際に、意味だけでなく発音とアクセントもチェックする習慣をつけるようにしよう。
(第2問)Aは文法・語法問題で、昨年と同様に問題数は10問であった。問8~問10は、昨年と同様に、文中の2つの空所に入れるのに適切な語句の組み合わせを選ばせる問題であったが、昨年に比べてやや難しかった。ただし、その他の問題が難しくはないので、全体的な難易度は昨年並み。普段から、いわゆる「四択問題」がたくさん載っている問題集を使って、練習を積むことが大切である。
Bは語句整序問題で、昨年と同様に問題数は3問であった。問3は、一見すると動詞が4つあるように見えるので、やや難しかったかもしれない。ただし、問1が解きやすく、問2が標準的な問題だったので、全体的な難易度は昨年並み。文意をぼんやりと考えるだけでなく、文法・語法・構文・イディオムに関する「英語の知識」を活用するとどのような英文が作れるのかを考えながら解くようにすること、そして自分の作った英文が意味をなすかどうかを必ずチェックすることが大切である。
Cは応答文完成問題で、昨年と同様に問題数は3問であった。難易度は昨年並み。場面に即した応答文を作ろうとするばかりでなく、語句整序問題を解く場合と同様に、「英語の知識」を活用して英文を作ることが大切である。
第2問全体の難易度は昨年並み。
(第3問)Aは対話文完成問題で、昨年と同様に問題数は2問であった。昨年は2問とも5発話の会話文が出されたが、今年は問1が4発話であった。難易度は昨年並み。「この場面なら普通はどんな発話をするのか」を文脈から考えて答えを選ぶように心がけるのが大切だが、特に空所の後ろの発話がヒントとなっていることが多いことに注意しよう。
Bは不要文選択問題で、昨年と同様に問題数は3問であった。昨年は下線部が連続している問題ばかりであったが、今年は下線部が離れている問題が1問出された。難易度は昨年並み。文章の展開を考えながら、その展開に合わない文を選択する問題なので、普段から長文問題を読むときに文脈を意識した読み方を心がけるようにしよう。この形式のセンター試験の過去問は今年の問題を含めても3年分しかないので、まずは過去2年間のマーク模試の過去問を入手して解くのが良い練習となるだろう。
Cは「異文化理解」に関して大学の学生と教授との間で行われたやりとりにおける発言の主旨を選ぶ問題で、昨年と同様に問題数が3問であった。昨年までは、発言者が意見を述べた直後にまとめ役が主旨を述べる形式ばかりだったが、今年は3つめの設問で、発言者(学生)とまとめ役(教授)のやりとりがしばらく行われ、発言者がまとめ役の意見の主旨を述べる、という新しい形式が出されたので、やや解きにくかったかもしれない。難易度は昨年よりやや難。「各発言者がどんな立場から発言しているのか」を常に考えながら読み進める姿勢を身につけよう。過去10年間出されている形式なので過去問が豊富にあるし、またマーク模試の過去問も利用できるので、それらを解くことが有効な対策となるだろう。
第3問全体の難易度は昨年並み。
(第4問)Aは「アメリカにおけるオレンジの輸入と生産」に関する図表問題で設問数は昨年と同じく4問。問3で本文の目的、問4で最終段落に続く部分のトピックを問う問題が昨年と同様に出題された。難易度は昨年並み。本文をしっかりと読み、グラフや表に注意深く目を通し、各選択肢と本文やグラフ・表を正確に読み取ることが大切である。
Bはウェブサイト上の「美術館の紹介」についての情報を読み取る問題で、昨年と同形式であった。難易度は昨年並み。設問を先に読んで、どのような情報について設問が作られているのかを把握してから広告や書類を読むようにすれば、「設問を解くのに必要な情報」が探しやすくなる。
第4問全体の難易度は昨年並み。対策としては、日頃からグラフ・表に注目し、そこで使用されている用語も覚えておくとよい。
(第5問)本試験では今年新しく出題された形式。従来のメールやブログの内容に関する問題から、物語の内容を問う問題に変わった。「ジョンおじさんがシェフになったきっかけ」の8パラグラフ構成の物語で、登場人物の関係をしっかり把握する必要がある。設問数は5問で難易度は昨年並み。この形式は昨年の追試験で出題されたものであり、河合塾では、2015年度第3回全統マーク模試の第5問にて物語文を用いた長文読解を出題している。この模試を受験した生徒は新傾向にとまどうことなく有利だっただろう。
対策としては、700語前後の物語文を15~20分間で解く練習をするとよい。練習問題として2007年度以前のセンター試験第6問は物語文が出題されていたので過去問の第6問を解くとよい。
(第6問)「オペラの直面する問題」に関する論説文の長文読解問題。設問はAとBの2部構成で昨年と同じ。
Aの問2で下線部の意味を求める問題は、昨年までの難しい単語やイディオムの意味ではなく、But what about opera singers?を本文の内容に即した具体的な表現を選ぶものに変わった。また昨年までは本文にタイトルが記載されていたが、今年はその記載がなくなり、Aの問5でタイトルを問う問題が出題された。
Bの段落の主旨を選択する問題は、昨年と同様に空所は4つであった。
設問を含めた総語数は約100語減ったが、難易度は昨年並み。 段落番号が打たれていて、設問と段落の対応が分かりやすくなっていることなどから第6問に15~20分を確保できれば解答できるはずである。
対策として、600語前後の論説文を15~20分間で解答する練習をしてほしい。学校教材の副読本や2008年度以降のセンター過去問を解くと実力が上がるだろう。
参考:http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/center/16/
城南予備校
・難易度:やや易化
・出題分量:昨年と変化なし。
・出題傾向分析:
出題分野(ジャンル)としては、第 5 問が、昨年度の E メールのやり取りから今年度は物語文に変わったが、英文 自体は平易であった。
配点については、例年通り、語彙問題と読解問題の比重が非常に高く(158 点 / 200 点)、語彙力や素早い処 理能力が必要とされた。
難易度については、第 3 問にやや難しい問題が見られたものの、第 5 問がやや平易であること、加えて第 6 問 が平易であることを考慮し、全体として「やや易化」とした。今年度から新課程下での試験となっているが、課程 が変わったことが英語の出題に大きな変化をもたらしたとは言えないだろう。
参考:https://www.johnan.jp/sokuhou/pdf/16_eigo_2.pdf
駿台・Benesse
・難易度:昨年並
・出題分量:昨年並(昨年:約2940語→今年:約2870語)。
・出題傾向分析:第5問の素材文が、昨年まで出題されていた2者の視点から語られる陳述から、物語に変更になった。本試での物語の出題は2007年度以来である。第5・6問で昨年出題された語句類推の出題がなくなった。第6問Bの選択肢から段落構成を示す語がなくなった。
参考:http://dn.fine.ne.jp/dn/b/002/center/sokuhou/mondai_k/mk_eigohikki_2.html
東進
第5問で物語文の読解が出題されるも、全体の傾向は変わらず
・難易度:変化なし
・出題分量:変化なし
・出題傾向分析:大問6題からなる全体構成と大問ごとの配点は昨年と同じ。読解問題(第3問~第6問)の配点が全体の7割以上を占める読解中心の出題である。全体の語数は約4200語でここ数年大きな変化はない。
目立った変化として、第5問が昨年までの複数情報源に基づく読解問題から,単一の物語文(約700語)の読解問題に変わった。物語文の出題は2007年以来となる。また、今年は文中の単語や熟語の意味を推測する問題は出題されなかったが、同趣旨の設問として、ある文が文脈中でどのような意味で用いられているかを問う問題が第6問で出題された。その他の問題形式は昨年と変わらず、一昨年から出題されている第3問Bの文削除問題や、昨年新形式として出題された第2問Cの対話文中の英文完成問題は、今年も引き続き出題された。
第1問・第2問は、発音・語彙・文法・語法等の英語の基礎力を試す問題で、全体配点の29%が与えられている。全体配点の71%を占める読解問題(第3問~第6問)は、短い対話文の空所補充完成やパラグラフの理解を問う基本問題から始まり、実際に英文に接する際に考えられる様々な状況を想定した内容把握を問う出題となっている。具体的には、議論の要点整理、図表を交えた英文読解、広告文からの情報収集、物語文や説明文の読解等である。英語のパラグラフについての基本的な理解のうえに、英文のタイプに応じた読み方ができるように計画的に学習していこう。
参考:http://www.toshin.com/center/eigo_shousai.html#
代々木ゼミナール
形式面で若干の変化が見られるが,全体の難易度はほぼ昨年並み。
・難易度:問題形式や内容に多少の変更が見られるものの,全体の難易度は昨年並み。
・出題分量:3問~第6問の読解問題の本文語数は約2,800語で昨年並み。設問選択肢を合せた総語数は約3,600語であり,昨年とほぼ変わらず。
・出題傾向分析:第5問では物語文が出題された。これは昨年度の追試験で出題されていたものと同様の形式である。
昨年度第5問と第6問で語義類推問題が出題されていたが,本年度は第6問で,下線部の表現と同じ意味を表す別の言い方を選択させる問題が出題された。
参考:http://sokuho.yozemi.ac.jp/center/bunseki/1265077_2188.html
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