佐鳴予備校が2016年度愛知県立高校入試の解答速報を公開しました。各科目の講評を以下に掲載しておきます。
『国語』
昨年度やや難化した国語ですが、今年度は例年通りの難易度に落ち着きました。出題傾向も昨年と変わりません。数年分の過去問を解き準備をしてきた受験生は、見直しをする時間まで取れたのではないかと思います。難問がなかった分だけ、得点に差がつきにくく、ミスのない答案にできたかどうかがポイントでした。大問一(二)の「自足」の意味に一瞬とまどった受験生も少なくないでしょうが、消去法を使って時間をかけて考えれば、正解にたどり着くことができたでしょう。大問二(三)の要約問題は、二つの指定語句を文章の順序どおりにつなげて書くものでした。大問四の漢文は、皇帝が家臣に己の未熟さを語って聞かせるという内容のもので、非常に読みやすく、昨年と比べると平易だったといえます。
Aグループ入試では、「同音異義語」や「同訓異字」に加えて「三字熟語」が狙われる可能性が高いので、しっかり練習しておきましょう。また、小説文が出題されることが予想されます。一日一題は小説の問題を解いておくことをお勧めします。
『数学』
問題の傾向は例年と変わりません。ここ数年のレベルを想定して練習をしてきた受験生にとっては落ち着いて解くことのできた問題であったと思います。しかし、大問2(5)②の関数の問題では、OBとACの傾きが等しいため、2つの線分は平行となり四角形AOBCは台形となることを利用して解きますが、これは、少し難しいと感じた生徒もいたと思います。
また、大問3(2)②図形の面積比の問題は与えられた比を利用して、求める三角形の辺の比を表し、それぞれの面積の大きさを表すことができるかが鍵となりました。大問3(3)②回転体の体積を求める問題は、円錐をイメージして落ち着いて長さを求めることができれば解けたのではないでしょうか。
Aグループ入試では、関数上の点が動く、いわゆる動点の問題や水の体積に関わる問題が出題されるのではないでしょうか。しっかり練習しておきましょう。
『社会』
例年と比べて、1問の中に2つ以上の要素を答えさせる問題が多く出題されていました。
単純に1つ選択すれば良いというわけではなく、異なった資料や条件から答えを導き出さないといけません。問題をよく読んであわてずに判断することが大切でした。
また、歴史においては過去にあまり出題されていない紀元前2000年ごろの日本のようすについて出題されていました。
『理科』
出題傾向は例年と大きな変化はありませんでした。選択問題の出題数は例年と同程度でしたが、四択の問題が多く、選択肢の数が減少しました。そのため、愛知県公立高校入試の傾向に合わせて学習を進めてきた生徒にとっては、落ち着いて解くことのできる問題だったでしょう。計算問題は、計算自体は複雑ではありませんが、計算に必要な数値を実験結果から読み取る力が必要とされました。全体としては幅広い知識と理解が問われる良問といえます。
Aグループ入試でも計算問題で差がつくでしょう。「磁界」「化学変化と質量」「天体」「地震」などの単元で、根本的な理解と実験データを正確に読み取ることが大切です。
また、「細胞と生殖」「遺伝」は知識を確認しておきましょう。
『英語』
例年通り、筆記検査は英作文、説明文、対話文の出題。リスニングも含め、出題傾向に大きな変化は見られませんでした。
大問1の英作文は、教科書の基本文レベルの出題。会話も非常にわかりやすい内容でしたので、それほど苦労はしなかったと思われます。
大問2は、お茶の歴史についての説明文。なじみのある内容で、読みやすい文章でした。(3)の整序英作文は、関係代名詞と動名詞の組み合わせで、やや難しいと感じたかもしれません。また、大問3(3)アは、otherを答える問題でしたが、前後の文から「直子がたずねた3人のうちの残り2人」を表す一語を考えることになります。他にも、if節中の時制に関する出題など、正確な文法知識を問う問題が目立ちました。
おそらく、多くの受験生が難しいと感じたのはリスニングではないでしょうか。特に、(5)は、単純に聞きとった英文を書くのではなく、読まれた対話の内容を正確に把握し、別の英文に変換する必要がありました。答えとなる文が接触節を使った文になることも、この問題を難しくしている要因です。
情報源;http://www.sanaru-net.com/junior_high/action/exam_aichi/
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