◆湘南高等学校講評(湘南ゼミナール 提供)
・問題の概要:知識をもとにした正確な思考力や情報処理力が求められる
昨年度の大問四題の構成から三題の構成になったが、文章、図表を読み取る力、計算を含む思考と情報処理を正確に行なう力を問うという傾向は、大きく変わっていない。伝統的に取り入れられてきた技能四科目に特化した出題が見られなかった点や、特に理科・社会の知識を問う問題が多く必要となった点が、昨年度からの変化と言える。
問1:日本語の「常識」についての文章が題材。前半では「常識」と「common sense」「common knowledge」の意味の範囲について、文章を手がかりに判断する。後半では英語及び社会の基本的な知識を前提にした記述問題であった。
問2:(ア)(イ)に関しては理社の知識を問う問題、(ウ)は情報処理の作業をイメージする問題、(エ)は空間把握力を問う例年も見られる出題となっている。
問3:(ア)(イ)(カ)は理社の知識を問う基本的な出題だが、(ウ)以降は与えられた文章、設問を手がかりに、計算処理を行なう出題が集まっている。
・設問の特徴:理社を中心とした基礎知識、正確かつ迅速な情報の読み取りと理解と、処理速度が必要
求められている知識はいずれも中学校で学習する基本的な内容が中心で、リード文、図表ともに理解把握が困難なほど難解な表現・単語は少ない。解答形式が選択問題中心であることも加味すると、全体的に高い正答率が予想される。そのため、リード文や資料の誤読、計算などの処理ミス、知識不足などが原因の失点が重ならないように丁寧に解いていくことや、正確かつ迅速に既習の知識を活用し、解答を導くことが必要となる。
・課題と対策:技能四科目まで含めた中学校の学習内容を丁寧に習得していくことが大切
主要五科目の中でも特に理科・社会についての正確な知識を前提とした設問が多いこと、また、技能四科目については今回ややウエイトが減ったが問われることからも、中学校の通常の範囲を丁寧に網羅する学習が望まれる。定期テスト対策の学習などもしっかり行っていきたい。
今後に向けて、必要な情報をすばやく集めるために、先に設問に目を通して問題文を把握する時間を早めることや、時間を区切って問題を解くことなどを、普段から練習していきたい。また、単なる知識の習得にとどまらず、すべての問いに対して自ら思考する力、考えを表現する力も身につけていきたい。
コメントする